愛媛県宇和島市へ 「公開羅針盤V4グループウェア AIチャットサービス」を提供開始

全職員が生成AIを利用可能な環境で業務効率化を推進

株式会社両備システムズ(岡山県岡山市、代表取締役社長 松田 敏之、以下 当社)は、愛媛県宇和島市(市長:岡原 文彰)において、生成AIを利活用し行政運営の業務効率化を推進するため自治体向け内部情報システム「公開羅針盤V4(コウカイラシンバン ブイフォー)」のグループウェアシステムで機能する「AIチャットサービス」を提供開始しました。

宇和島市は2023年7月からの生成AIの試行を経て、2024年7月1日から全庁での利用を開始し、全職員が業務に生成AIを利用可能な環境を整えました。職員は、パソコン端末のグループウェア上とメッセージ機能にて生成AIを利用することができ、自治体業務で頻出する文章作成や添削、専門用語の解説等の機能を活用しています。また、管理部門の職員はグループウェア上で、各職員のAIチャットサービス利用状況を確認することができるため、活用状況に合わせた対応が可能となりました。

背景

現在、我が国ではデジタル庁をはじめとして、AIの実態と動向を把握し、リスクと必要な対応策を特定したうえで、官民における適切な活用の検討を進めています。とりわけ自治体では、限られた人員で行政運営を行う必要があることから、業務効率化が急務となっています。当社は、提供する自治体向けシステム「公開羅針盤V4」のグループウェアシステムのオプションサービスとして、LGWAN(エルジーワン:総合行政ネットワーク)から利用できる「AIチャットサービス」を、2023年12月より提供開始しています。本サービスは、「公開羅針盤V4」グループウェアシステムのメッセージ機能にてMicrosoft社のAzure OpenAI Service(※1) のGPTモデルを使用したAI bot(エーアイボット)とのチャットを行うことができ、AIとの対話を行うことで、文書作成等における業務の効率化をサポートします。

(※1)Microsoft社のAzure(クラウドプラットフォーム)上で提供される、OpenAI社の生成AIサービス。

 

宇和島市では、人口減少や高齢化の急速な進展、豪雨災害や懸念されている南海トラフ地震など自然災害への対応、感染症対策と社会経済活動との両立が実現できる社会を目指すために、2022年4月~2025年3月の3年間を計画期間とする「宇和島市DX推進計画」を策定されました。当該計画では、DXを「地域社会や行政が直面する課題に対応するため、デジタル技術の有効な活用を図り、新たな価値を生み出すことで未来を切り拓くこと」と定義し、行政運営においても積極的にデジタル化を推進されています。

宇和島市における導入経緯

2023年7月~2024年3月にかけて、デジタル推進課が中心となり、全職員を対象とした生成AIの試行を実施されました。試行にあたっては、テキストを生成するなどの機能を実際に使用することで、生成AIを理解することから始め、その後、生成AIの活用事例(ユースケース)や効果的なプロンプト等を庁内全体に共有するなど、生成AIの効果的な活用方法を周知することで、多くの職員が試行に取り組まれました。試行の終了後に行った職員アンケートでは、多くの職員から「生成AIを利用して生産性が向上した」や「今後も生成AIを利用したい」等といった回答が寄せられました。

【アンケート調査での感想(一部抜粋)】

  • 関数やマクロの作成では、ほとんど時間が掛からなくなり、大幅な時間の削減ができた。正確性についても、すぐ業務で使えるような精度の高い回答を得ることができた。

  • 文案の作成では、1業務あたり5~10分程度の時間が削減できた。

  • 文章の校正では、これまでは1人で行っていた業務に生成AIを利用することで、自分にアシスタントが1人付いたような感覚で業務が行えた。

  • 自分では気がつけない部分についての気づきを得ることができ、業務の質が向上した。

 

試行の結果、「今後は自治体の業務において生成AIを活用した働き方が一般的になる」と多くの職員が実感できたことで、生成AIの活用が職員の業務効率化や負担軽減に繋がると判断されました。そして、2024年4月生成AI提供業務の公募型プロポーザル方式が実施され、その結果、当社のサービスが採用されました。

 今後、宇和島市は所有するデータ(条例・規則・計画・通知など)をAIに学習させ、それに基づいた回答を生成する技術の活用を検討されています。具体的には、「公開羅針盤V4グループウェア」のファイル共有機能を使用することで、そこへアップロードされた市の計画や職員への通知等を生成AIに学習させ、それに基づく回答を生成する考えです。また、職員研修等を通じて蓄積してきた知見の共有を進め、より多くの職員が、より効果的に生成AIを活用できる取り組みを進める計画です。

【宇和島市よりコメント】

(宇和島市 企画政策部 デジタル推進課長 林 典之 氏)

宇和島市では、生産性の向上と業務負担の軽減を目的として、文章生成AIの業務での活用を検討してまいりました。
先進事例を参考にするとともに様々な試行を実施することで、導入効果や運用ルールの整理ができたことから、全職員が利用できる文章生成AIとして「公開羅針盤V4グループウェア AIチャットサービス」の導入に至りました。
本サービスは、すでに業務で利用している「公開羅針盤V4グループウェア」から利用できる機能であるため、従来のインターフェイスを用いて文章生成AIを活用できることや、アカウント管理をスムーズに行えることなど、大きな利点があると感じています。
今後も引き続き、個人情報保護や著作権などに掛かるリスク管理を適切に行いつつ、効果的に文章生成AIを活用したいと考えています。

当社の今後の展開

当社は、自治体向け生成AIサービスにおいて文章だけでなく、音声や画像など様々な情報を使った生成AIを利用できるように機能強化に取り組んでまいります。また、AIチャットを通して、スケジュールの確認や登録、メールの本文を作成し、そのまま送信を行うなど、公開羅針盤V4との連携を強化し、職員それぞれの秘書やコンシェルジュとなるようなサービス提供を目指します。

公開羅針盤V4グループウェア AIチャットサービスについて

公開羅針盤V4グループウェアへ「AIチャットサービス」を機能追加することにより、毎日利用する身近な業務システムであるグループウェアから、生成AIサービスを利用できる環境を提供し、生成AIの利用率向上を促し、事務効率化、負担軽減を実現します。

プレスリリース:「自治体職員向けグループウェア『公開羅針盤V4』で『AIチャットサービス』を提供開始」

URL: https://www.ryobi.co.jp/news/2023/20231121

このページに関するお問い合わせ

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