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医療現場の課題解決のためのソリューションにともに挑み、ともに創り、臨床現場でのAI活用や医療機関でのDX推進を実現します。
~「健康で明るい社会づくり」に貢献する~ をビジョンとして掲げています。
早期胃癌の深達度診断AIを岡山大学と共同開発しました。
近年、内視鏡治療技術の発達により多くの早期胃癌病変は胃を温存して病変を切除することが可能となりました。内視鏡治療の適応か、外科的手術の適応かは主に癌の深達度(どれくらい深く胃壁に癌が浸潤しているか)で決まります。しかし、この深達度の診断は病変の内視鏡写真の所見などをもとに個々の医師が経験に基づいて行っているのが現状です。
本システムでは、早期胃癌病変の映った内視鏡画像をAIが解析することで、深達度(浅い、深い)の判定を行い、医師の診断を支援します。本システムを活用することで、早期胃癌に対する適切な治療法の決定に寄与することが期待されます。
AI等の最新技術と、医師の専門知識を組み合わせることで、これまで実現できなかった新たな価値を創造します。医師の技術やノウハウのモデル化、システムによる診断や治療のサポート、さらには医療現場の変革を実現します。
SE
S.U.さん
2018年入社
SE
S.T.さん
2015年入社
SE
Y.M.さん
2016年入社
2016年8月10日、両備システムズは、「IoT・AI事業推進室」を設立。目的は、IoT・AI、ロボットを活用した新商品・サービスの提供をするため。両備システムズグループのSE 10名の専属体制で、今後3年間にわたって毎年約1.5億円を研究開発費として投資する、という野心的な宣言でもあった。
それから4年が経過した2020年。「IoT・AI事業推進室」は、今回の主役である「ビジネス戦略本部」へとトランスフォームを遂げた。ここでは、ビジネス戦略本部における3つの代表的なプロジェクトの紹介と、そこで活躍する若手たちのチャレンジを紹介しながら、この組織変革に込められた想いに迫っていく。
ビジネス戦略本部は、 2020年の両備システムズグループ6社の合併の流れを受け、誕生した組織だ。その背景には、前身となるIoT・AI事業推進室時代に経験した学びがあった。
S.T
IoT・AI事業推進室は、「技術」というシーズ(種)を軸に、研究成果を新しいビジネスへと繋げていくという方向性でした。しかし各方面から興味を持っていただき、共同研究まではこぎつけることができたものの、お金に変えることが難しかったのです。
そこで、IoT・AI事業推進室のメンバーが立ち戻ったのが、両備システムズの強みである「業務の理解」だったという。そう、「技術」を極めるのみではなく、現場「業務」との両輪を回してこそ、イノベーションに繋がると再認識したのだ。こうして、現在の「ビジネス戦略本部」という組織名に回帰した。
S.T
「シーズ」ではなく、「ニーズ」から逆算して、どう課題解決していくか。トレンドだからではなく、「業務」フローを改善するために必要な「技術」はなにか。これまで以上にそんなスタンスで動くようになっています。私が担当するデータ利活用も同様。まずは課題ありきであり、それを把握せずしていくらデータ分析手法を磨いたところで、本末転倒になってしまいますよね。
「技術」って、それ自体は手段にすぎませんから、それだけでは社内にも、社外にも広がっていかないと思います。研究結果をビジネス的な成功事例に変えていき、現場に浸透させていくところまでが私たちの仕事。さらに、現場では触れたり掴んだりしづらい技術の最新動向を、自社の強みと融合させていくアンテナとフィルターを持ち合わせる役割を担っています。それが「創造」「技術」に連なる、「貢献」というミッションで表現されています。
そんな中、成功事例の一つとして挙げられるのが、メディカルAI。2018年より医療分野のAIについて研究を開始し、2019年からは岡山大学病院 河原祥朗教授らの研究チームと人工知能を用いた早期胃癌関連の研究を進めてきた。
日本では、胃癌と新たに診断される人は毎年約12万人。そのうち6割が早期胃癌だという。その早期胃癌のうち、深達度によって治療方針の異なる、胃の粘膜に留まる癌(M癌)と粘膜下層まで浸潤した癌(SM癌)を診断判定支援する独自のAIシステムが今、芽吹きを迎えている。
S.U
私はもともと、業務システムの受託開発を行う部署で、プログラムをゴリゴリ書いていたのですが、ふと「新しいことをやってみたい」という気持ちから、社内公募でビジネス戦略本部へ異動してきました。中でもメディカルAIは、プロトタイプもかたちになっていたし、医療×AIという最先端感から、強く興味を惹かれていましたね。
こうして、メディカルAIのチームにジョインすることができたのですが、蓋を開けてみて驚いたことがあります。それは、「医療機器」を扱うビジネスの責任の重さ。これまで携わってきたシステム開発も、社会インフラを担っており責任は重大なものでしたが、医療機器扱いとなるメディカルAIは、人の命に直接関わる分、様々な法律や規格・規制を一つひとつクリアし、性能を証明していかなくてはならないものなのです。
メディカルAIチームは、すでにベテラン医師の正解率を超える性能を発揮しているわけだが、逆に言えば研究段階から、製品開発段階に移行しているがゆえの困難とも言える。まずは早期胃癌をターゲットに上市を目指し、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患をはじめとした、その他の部位も並行して研究を重ねているという。
その一貫として、S.U.は、岡山大学の産学連携プログラムBIZENを利用して医療現場に入り込み、自ら「業務」の中に飛び込んでいる。
S.U
やはりニーズベースで研究して種を育てていくことに勝るものはありません。現在私たちが手がける分野はニッチなので、今後は現場を自分の目で確かめながら、事業性だったり、市場性だったりをより的確に見極めなくてはなりません。現場に身を置くことで、物理的に近い距離でコネクションを作っていける今の立場を活かし、横展開しながら成果を生み出していきたいと思っています。
さらに、ビジネス戦略本部では、「両方備えた社員『為替』と『FinTech』」でもフィーチャーした、Financial AlgoTech も一つの柱として躍進している。長年にわたり外国為替市場の最前線でディーラーを務めた鈴木の知見と、両備システムズのAIをかけ合わせたシナジーが発揮されている。
時は遡り、2021年の鈴木入社にあたり、新たに創設されたチームの専任メンバーが公募され、経理からキャリアチェンジするかたちで2021年8月にジョインしたのが Y.M.だ。
Y.M
学生時代はエンジニアになるつもりで、両備システムズへの入社を志望していました。経理に配属された当初は驚きましたが、実際に働いてみると人事の目は確かで、私の性に合っておりすっかりハマってしまいました。会社の財務の動きも把握できてやりがいがあったし、簿記の勉強も楽しんで資格取得に励んでいましたね。
そんな中、海外事業の経理業務で触れた為替をはじめとして、「もっと金融の知識を深めていきたい」と思っていた矢先に、先の公募があったわけです。Financial AlgoTech のアクションは日本初の試みでやりがいに満ちていました。いてもたってもいられなくなり、公募に通るかどうかはともかく、AIの勉強を始めていましたね。
無事Financial AlgoTech チームにジョインすることになった Y.M.は、周囲のサポートの下、プログラミング・分析・モデルのチューニングなどを習得していった。経理畑で養ったセンスが、生え抜きのエンジニアとはまた一味違う、マーケットや取引を俯瞰する視点という強みとして発揮されたのだろう。
こうして、様々な新規事業の萌芽に沸くビジネス戦略本部。それぞれがそれぞれの立場で見据える今後の展望について語ってもらった。
S.U
「事業創発」と一口に言っても、現場ニーズに即し且つ、自社の技術シーズを活かして事業規模を成長させるものを見つける、というのは、決して簡単ではないと痛感しています。それでも、踏ん張って一歩ずつでも事業を前に進めていく、そんな日々です。
一方、自分のアイデンティティは、やっぱりエンジニア。技術力を磨き続けて、両輪を回していくことも欠かせません。その点、ビジネス戦略本部には、それらを兼ね備えたロールモデルがたくさんいます。
さらに言えば、新規事業で求められるチームワークは、それぞれの強みを持ち寄るだけではなくて、例えば誰かと誰かの強みの間にぽっかり空いた穴にボールが落ちてきた時、お見合いすることなく進んで拾いに行けるような関係性だと思っています。自分自身が、チームでそういう動きをして、事業を拡大していけるよう、邁進していきたいです。
Y.M
チームとして、先行事例のないAIによる為替のヘッジファンドの確立、という挑戦をしているがゆえの苦労は事欠きません。AIモデル作りにおいても、国内の類似研究や海外の論文をかき集めては、試行錯誤を行い、みんなで自分たちの知見や強みを加えていくという、地道な作業の繰り返しになります。
運用実績が目に見えるので、数字が良いときは自分が手塩にかけた分嬉しいですし、たとえ悪いときでも、すぐに原因をキャッチアップして、改善案を模索することでリカバリしていけば良いと切り替える。そんなスピード感にやりがいを感じています。
そんな中、私自身が抱いている目標は、データの分析からモデリング、取引監視システムの開発、そして運用までを一気通貫で担えるようになること。もともとエンジニア畑でない分、「狭く深く」ではなく、「広く」を意識しながら、新しい自分自身の強みを見出していきます。
S.T
2人が言うように、私たちはチャレンジと失敗を積み重ねることでないと、新しいビジネスは生まれないと思っています。そのためにも、成功事例を一つでも多く作り、ゼロイチ創出に貢献していきたいです。
逆に言うと、いかにチャレンジしやすい、チャレンジがあたりまえのカルチャー・風土を作っていけるかも、私たちビジネス戦略本部の役割だと思っています。これから入ってくる、若くてチャレンジ精神に溢れた方たちが、ビジネス戦略本部のさらなる可能性を広げてくれることを願っています。
個人的な目標で言えば、「データサイエンティスト」という肩書きを名乗らせてもらっている以上、社内のデータビジネスを現場で価値を生み出せるレベルまで普及させていき、ビジネス戦略本部にとどまらず両備システムズの柱になるよう育てていきたい。そのためにも、各方面に向けて「データのことならなんでもウェルカム」という姿勢で啓蒙していこうと思っています。
S.U
企業研究だったり、このページを読んだりで、メディカルAIに関心を持っていただけたなら、ぜひ技術への興味のみならず、「事業を創出する」ところまで見据えてもらえると嬉しいです。AIをはじめとした技術を活用することと、売上になる製品を生み出すことの間には、大きな隔たりがあるからです。
特にメディカルAIの場合、医療機器ゆえの高いハードルも存在します。その分、岡山大学の先生方のご協力のもとで、臨床現場に飛び込み、人の命に関わることの重みを知り、マインドも大きく変わりました。
こうした覚悟と熱い想いを持った方をお待ちしています!
Y.M
未経験で経理からエンジニアにキャリアチェンジした私自身がまさに証人なのですが、両備システムズはやる気さえあれば、自分がやりたいことにチャレンジできる会社です。さらに何か新しいことを学ぼうと思ったときにも、研修制度が充実しているばかりか、書籍やツール・セミナーなどでの学習への補助まであります。
かといって、最初の経理の仕事がつまらなかったわけではありません。配属が決まったときこそ驚きでしたが、やってみたら楽しくて、簿記をはじめ自分でもどんどん深掘りしていったほどです。その経験があったからこその今だと思うので、やはり食わず嫌いで足を止めてしまうのはもったいない。まずは一生懸命取り組んで、今の仕事に楽しさを見出せるかどうかじっくり判断することが大事で、併せて、その先を考えていく向上心を持ち合わせていくことが大切だと思っています。
S.T
ご存知の通りITは、技術が猛スピードで移り変わる業界です。逆に言えば、ベテランからとってかわって若い人が強みを活かせるフィールドがあるとも言えます。その点においてビジネス戦略本部は、そうした強みを最大限発揮して、ゼロイチを創るうえではうってつけの部署だと考えています。
というのも、各業界からの信頼や基盤を備えたうえで新しいことに取り組める、リスクを相対的に小さくコントロールした状態でチャレンジできるからです。
一方、会社としてこのビジネス戦略本部に投資し続けてもらうためには、たしかな実績を残していく必要もあります。ゼロイチにおける実績とは、お客様自身も気付いていなかった新たなニーズに応えること。1勝9敗はあたりまえ、それでも失敗を怖れず糧にして、何が悪かったのか振り返りながら、自分自身をアップデートしてリトライし続けることが必要です。
それらの蓄積がビジネス戦略本部の知見となり、いずれ来る成功に必ず結びついてくると信じています。つまり、いろいろなことをやって、いろいろな失敗をした人こそ、いろいろなニーズに気づける視点を持っていると思うのです。だからこそ学校生活においても様々な経験を通して、多様な価値観に触れると、絶対に「実」となる瞬間がやってきますよ。